射出成形は、プラスチックの一般的な成形法のひとつです。身の回りにたくさんあるプラスチック製品の多くはこれによって作られています。今回は射出成形の特徴や仕組み、他にはない少し特殊な種類の成形法について解説します。プラスチックの材料(樹脂)を溶かし、金型に流し込み(射出)、固めて形を作ります(成形)。プラスチックともよばれる樹脂製品は、軽く、丈夫で大量生産がしやすいことから、日用品や電子機器、機械のカバーなど、幅広い分野で使われています。
射出成形の特長 高品質で大量生産
上記で述べたように射出成形はあらゆる商品の製造に使用されるプラスチックの成形方法だ。しかしその製法や特長は実際の製造にたずさわっている人にしか知られていないが、その原理は至ってシンプルだ。非常に簡単に言ってしまうと、約200℃程度の高温でプラスチックを溶かし、金型の中に押し込んで冷却し固めるという方法。その特長は金型さえ作ってしまえば複雑なカタチのモノを高品質で作ることができる点にある。また最大のメリットはその生産性の良さだ。現在の射出成形機は機械化されていることから、驚くほど速いスピードでプラスチック製品を生産することができる。
製品の種類にもよるが、速いものでは数秒で1個の割合で生産することができる。まさに大量生産体制の象徴ともいえる非常に効率的な成形方法だといえる。逆を言えば、一定量以上の販売量が見込めない場合は、金型を製造するコストが高いため使用することが難しい成形方法ともいえる。それでは射出成形の仕組みをもう少し詳しく見てみよう。